光害とオーロラ:暗い空の見つけ方
明るいオーロラは町の中からでも見えますが、淡いオーロラは街明かりにあっさり消されます。旅先で見えるか見えないかを分けるのは、多くの場合、町からあと数km離れられるかどうかです。
光害が消すのは淡いオーロラ
オーロラはいつも明るいわけではありません。活動の弱い夜や、遠くの空に出ているときは、薄い雲のような淡い光です。街灯や店の照明で空が明るくなっていると、この淡い光はコントラストを失って見分けがつかなくなります。
反対に、頭上で激しく動く強いオーロラは、ロヴァニエミの市街地やトロムソの港からでも見えます。光害の影響が大きいのは、オーバルの端で見るときと、日本のような低緯度で見るときです。
ボートルスケールで考える
空の暗さを9段階で表すボートルスケールでは、1が最も暗く、9が都心の空です。東京や大阪の中心部は8〜9、地方の住宅地は5〜6程度。天の川がはっきり見えるのは、おおむね4以下の空です。
オーロラ観賞の目安としては、天の川が見える空なら淡いオーロラも十分に楽しめます。5〜6でも明るいオーロラは見えますが、北の地平線近くの低い光は見落としやすくなります。
日本で狙うなら北の空の暗さがすべて
日本で低緯度オーロラを狙うなら、北の地平線まで街明かりのない場所が欠かせません。陸別町は内陸にあって周りに大きな町が少なく、北の空が暗いことが、何度もオーロラが撮影されてきた理由のひとつです。
北海道のほかの地域でも、北側に都市がない海岸や峠は候補になります。札幌や旭川のように、北の方角に市街地の明かりが広がる場所は不利です。各観測地のページで、町ごとに必要なKpと見るべき方角を確認できます。
旅先での暗い場所の探し方
ロヴァニエミは人口6万人ほどの町で、中心部はかなり明るいほうです。それでも車で15〜20分郊外へ出れば、湖と森の暗い空が広がります。トロムソは島の上に町があるため、本格的に暗い空を求めるなら、橋を渡って周辺の島やフィヨルドへ出るのが一般的です。
イエローナイフは町自体が小さく、郊外の観賞施設まで行けば暗さは十分です。フェアバンクスも、町の外の丘陵地へ少し上がるだけで空の暗さが変わります。
雪は光害を増やす
雪が積もると、地面が街明かりを反射して空へ返すため、同じ町でも夏より空が明るくなります。冬の北国の町が、上空にぼんやりとオレンジ色の光をまとって見えるのはこのためです。
見る方向も大切です。町が南にあるなら、北を向けば光害の影響はかなり小さくなります。観賞場所を選ぶときは、町との距離だけでなく、町がどちらの方角にあるかも確かめてください。
月明かりは自然の光害
満月の光は、空の暗さをボートルスケールで数段階引き上げるほどの影響があります。満月前後の数日は、淡いオーロラが見えにくくなると考えてください。
一方で、月明かりには雪原や山並みを照らしてくれる良さもあります。明るいオーロラが出た夜なら、月に照らされた風景とオーロラを一緒に写せる好条件です。日程を選べるなら、新月から上弦までの、月が早めに沈む時期が理想的です。
目を暗さに慣らす
どれだけ暗い場所に行っても、目が慣れていなければ淡い光は見えません。暗順応にはおよそ20〜30分かかり、スマートフォンの明るい画面を一度見ただけで、かなり後戻りします。
画面は最低の明るさにし、ナイトモードや赤い表示に切り替えておくのがおすすめです。当サイトにも、画面全体を赤く表示する暗視モードがあります。車のヘッドライトや懐中電灯を、周りの人の方へ向けないことも観賞地のマナーです。
写真ならどこまで補えるか
カメラは目よりはるかに感度が高く、肉眼では分からない淡いオーロラも写せます。ただし長く露出すれば、街明かりで明るくなった空も一緒に写り込み、オーロラとの差は縮まります。
光害のある場所では、露出時間を短めにし、ISO感度を上げすぎないのがコツです。それでも、町から離れて撮った一枚の澄んだ色にはかないません。
よくある質問
街中でもオーロラは見えますか。 強いオーロラなら、ロヴァニエミやトロムソの市街地からでも見えます。ただし淡いオーロラは街明かりで消えてしまうため、郊外へ数km離れるだけで、見える量がかなり増えます。
満月の日はオーロラが見えませんか。 明るいオーロラなら満月でも見えます。淡いものは見えにくくなるので、短い旅行ではなるべく満月の前後を避けてください。
日本でオーロラが一番見えやすい場所はどこですか。 北海道の、北の空に街明かりのない場所です。陸別町は、これまで何度も低緯度オーロラが撮影されてきた町として知られています。
ホテルの部屋からオーロラは見えますか。 郊外の宿で、北の空に向いた窓があれば見えることがあります。室内の照明を消し、窓ガラスに部屋の明かりが映り込まないようにしてください。
最終確認日:2026年10月16日