太陽活動周期とオーロラの見通し
2024年に日本でもオーロラが撮影されたのは、偶然ではありません。太陽は約11年の周期で活動の強弱を繰り返しており、2024年はちょうどその山に当たっていました。
約11年で繰り返す太陽の活動
太陽の表面に現れる黒点の数は、約11年の周期で増減します。黒点が多い時期は太陽フレアやコロナ質量放出(CME)が起こりやすく、地球で大きな磁気嵐が起きる回数も増えます。
現在は、1755年から数えて第25周期です。黒点数の極大は2024年後半ごろと考えられており、2026年はすでに下り坂に入っています。
2024年、日本の空にも
極大期の2024年5月10〜11日には、約20年ぶりとなるG5の磁気嵐が発生しました。北海道各地に加えて本州の一部でも、北の空が赤く染まる様子がカメラにとらえられています。
同じ年の10月10〜11日にも強い磁気嵐が起き、再び北海道や本州でオーロラが撮影されました。陸別町のように長年観測を続けてきた場所だけでなく、一般の人がスマートフォンで撮った写真が数多く共有されたのが、この年の特徴でした。
極大を過ぎても終わらない
「極大を過ぎたらオーロラは減る一方」と思われがちですが、そう単純ではありません。下降期には、コロナホールから吹き出す高速の太陽風が地球に当たりやすくなり、中規模の磁気嵐が27日ごとに繰り返す傾向が強まります。
巨大な磁気嵐が極大の数年後に起きた例もあります。2003年10月末の大規模な磁気嵐は、第23周期の極大から3年ほどたった時期でした。2026〜2027年も強い磁気嵐が起こる可能性は十分にあり、当サイトの磁気嵐アーカイブには、2026年10月10日にKp 7.3を記録した夜も載っています。
大きなフレア=オーロラ、ではない
「Xクラスの太陽フレアが発生」というニュースを見ると、すぐにオーロラが見えると思いがちです。けれどもフレアそのものは光とエネルギーの爆発で、オーロラを直接起こすわけではありません。
オーロラにつながるのは、フレアに伴って放出されることの多いCMEのほうです。CMEが地球の方向へ飛び出したかどうか、届いたときに磁場が南を向いているかどうかで、結果は大きく変わります。同じXクラスのフレアでも、地球にほとんど影響しないことは珍しくありません。
黒点数の推移は誰でも確認できる
黒点数は世界の観測所が毎日数えていて、月ごとの値や予測曲線はNOAAなどが公開しています。ニュースで「太陽活動が活発」と聞いたら、その月の黒点数が周期のどのあたりにあるのかを見てみてください。
ただし、黒点数が多い月ほど必ず磁気嵐が多い、というほど単純ではありません。大きな黒点群が地球側を向いている時期かどうかも関わってきます。黒点群は太陽の自転とともに約2週間で見える側を横切るため、活発な群が正面に来る日は、ニュースでも取り上げられます。
旅行計画への生かし方
イエローナイフやフィンランド北部のようにオーロラ帯の真下にある町では、周期にかかわらず、晴れて暗い夜ならほぼ毎晩オーロラが出ます。極小期だからといって旅行をあきらめる必要はありません。
周期の影響を強く受けるのは、オーバルから離れた場所です。北海道で撮る、あるいはヘルシンキのような中緯度寄りの都市で見るといった狙い方は、活動の高い今のほうがはっきり有利です。
次の極小と第26周期
次の極小は2030年前後になる見込みですが、周期の長さには9〜14年ほどの幅があり、正確な時期は前もって決まりません。第26周期がどの程度の強さになるかも、専門家の予測は分かれています。
確かなのは、極小期でも強い磁気嵐がまったく起きないわけではないこと、そして極大期でも曇っていれば何も見えないことです。周期はチャンスの多さの目安であり、特定の夜を約束するものではありません。
よくある質問
2026年でもオーロラは見られますか。 見られます。オーロラ帯の真下では周期に関係なく見られますし、下降期の2026〜2027年も強い磁気嵐は起こりえます。
次に日本でオーロラが見えるのはいつですか。 前もって予測することはできません。巨大磁気嵐は、太陽でCMEが観測されてから地球に届くまでの1〜3日前になって、ようやく可能性が見えてきます。
太陽活動の極大期はいつでしたか。 第25周期の極大は2024年後半ごろとされています。数か月単位の平均値で判断するため、正確な時期はあとから確定します。
極小期にオーロラ旅行をしても意味はありますか。 あります。オーロラ帯の真下では、極小期でも晴れた夜の多くにオーロラが現れます。減るのは、オーバルから離れた地域で見られる大きな磁気嵐の回数です。
最終確認日:2026年10月16日